『ロケ』とは、本来ならスタジオにあるはずの『機材』などを撮影現場に『持ち出して』撮影を行う事ですが、僕はこの『ロケ』が大好きなんです。
特によく晴れた日などは、本当に気持ちがいいんですよね。
例えば映画やドラマのロケの場合。
集合時間が早朝の場合が多いんです。
そして撮影現場が家から遠い場合は、僕は自走していきます。
早朝ドライブですよ(^^)
最高です!
その日がクランクイン(撮影初日)の場合は、必ず集合時間より早く支度部屋に行きます。
そして、ゆっくり支度をして現場に向かうんです。
『もろもろ確認中で〜す!少々お待ちくださ〜い!』
スタッフさんの声が飛ぶ中、セリフを確認しながら待っていると、『それではご紹介しま〜す!◯◯役のパパイヤ鈴木さんで〜す!』と紹介されるんですね。
そのシーンに出る全役者の紹介が終わって、監督から撮影内容の説明があって、いよいよリハーサルが始まります。
『ドライ(軽くやってみる)→スタッフ打ち合わせ→テスト→本番→チェック』
これが撮影の手順で、通常『テスト』は数回やる事が多いです。
一つのカットが終わると次のカットへ。
その繰り返しです。
一つのカットが終わるのに、短くて1時間、映画などでは数時間かかる事があります。
数回の『カット』を繋げて一つの『シーン』を作ります。
3分のシーンの撮影に、11時間かかった事もあります。
そう、『待つ事』も大切な仕事なんです。
仕事の9割は移動時間と待ち時間!
地方にロケに行く場合は、移動時間が長いんですね。
国内なら数時間、海外なら十数時間かかります。
僕たちの仕事って、テレビに映っている時間は『ほんの一部』で、それ以外の時間がほとんどを占めています。
例えば、食ロケの場合。
お店に着くと、僕たちはロケバス内で待機します。
その間、ディレクターさんはお店の人に撮影の流れを説明しています。
それと同時に、照明のセッティング。
マイクを付け、電波のテスト。
準備が整うと、スタッフさんがロケバスにやって来ます。
『たいへんお待たせしました〜よろしくお願いしま〜す!』
僕たちは、ロケバスを降りて撮影現場に向かいます。
お店の前では、全ての準備を終えたスタッフさん全員が僕たちを待っていて、そこから撮影が始まります。
『本番いきま〜す!5秒前、4、3、2、、。』
僕たちがロケバスの中にいた、『待ち時間』は、撮影がスムーズに進むために使われる時間。
僕たちが待っている時間は、『誰かが汗をかいてる時間』だという事。
とても大切な時間なんです。
いつか自分がやる時が来る!
今は撮影『される』側ですが、もしかしたら撮影『する』側になる事もあり得るわけです。
その時に実感すると思うんですよ、『待ち時間』の必要性を。
背中を押される『タレント』という仕事と、背中を押す『振付師』という仕事。
両方やっているからわかる事があります。
それは、『みんなで一つのものを創っている』という事。
たとえ数時間だったとしても待ちましょうよ〜
大した事じゃありません。
座ってゆっくり本でも読んで、まったり過ごしましょう。
なんだったらお昼寝してもらってもいいので(^^)
早く終わったって早く帰るだけでしょう?
早く帰って早く寝て、早く起きるだけでしょう?
それよりも、ゆっくり時間を使って良い物を創りましょうよ。
待ち時間が『嫌だ』と思っていた、昔の僕にこの言葉を贈ります(^^)