前にもこのブログで書きましたが、僕が以前、レコード会社にいた頃言われていた事があります。
それは、『芸能界人になるために一番大切なのは、覚えてもらう事』ということ。
当時の僕はなんの特徴もなく、言われたのは『君は70点』、つまり平均的な男子だったようです。
なので、『君のような人は他にもいる』と言われ結果的に歌手を諦め振付師になったわけです。
その時に言われた『他にもいる』という言葉。
これがとても大切な言葉だったんです。
例えば、マイケルジャクソンと区別がつかないくらい似ている人がいたとします。
歌もダンスもそっくりなんです。
その人のCDを買いますか?
『どのくらい似てるのか?』という意味では興味がありますが、僕はマイケルジャクソンの方を買うと思います。
マイケルの『椅子』には、すでにマイケルが座っているからです。
新しくても前例がないとダメ!?
おやじダンサーズ作って、各方面にプレゼンに行った時に言われたのは、『面白いね〜、でも前例が無いんだよね』という事。
新しいモノって、誰も見た事がないから新しいのでは?
『新しくて前例があるモノ』って何だろう?
見た事があるモノは『真似』になるし、見た事が無いモノは『前例』が無い。
その二つの『間』には何があるのだろう?
答えが出ませんでした。
そんな時に、『面白いね!使ってみよう!』と言ってくれたのが桑田佳祐さんでした。
おやじダンサーズを、サザンオールスターズ20周年記念アルバムのコマーシャルに使ってくれました。
後から聞いた話ですが、当時の担当の方は、出来上がったコマーシャルのVTRと、始末書を一緒に出したそうです。
『もしコケたら、僕が責任を取ります!』
と言ってくれたそうです。
おかげで、今の僕たちがあります。
本当にありがたい限りです。
新たに『前例』を作るには、『閃き』と、その責任を取る『覚悟』が必要だと感じました。
もしかしたら、『流行り』は、そういう『荒波』を超えてきているのかもしれませんね。
ダンスが溢れている!
コマーシャルを見ていると、『踊っている系』が多いですよね。
そこには振付師が存在しています。
なにが今新しいのか?
どの椅子があいているのか?
そういう事を考えながら使っていると思います。
もちろん僕もそうです。
なにが面白いかな?
これなら躍れそうかな?
これなんかキャッチーじゃない?
アシスタントと試しながら作っています。
『これ誰もやってないよね?でも前例が無いからな〜』となる事はありません。
誰もやっていない『あいてる椅子』が重要なんです。
常に『閃き』と『覚悟』を持って振付をしています。
深い
「あいている椅子」ですね。
パパさんが踊ってみえる
CM拝見致しました。
キラキラでした(*^^*)