昔、データカラオケの仕事をしていました。
パソコンを使ってカラオケを作るわけです。
原曲に似せて作るんですが、結構難しいんですよ。
DTM(デスクトップミュージック)では、苦手な音色があります。
それは、ギター。
他にもまだまだありますが、一番大変なのがギターの打ち込み。
【打ち込み】パソコンに音楽を入力する事で、キーボードを使ったり、マウスで入力したりします。
カラオケでギターの役割は多く、その楽曲のイメージを大きく左右します。
ギターが似ていないと『ショボい』カラオケになってしまうんです。
イントロのイメージを作っている楽器がどれだけ似ているか?
それがかなり大事なんです。
僕はラッキーな事に、ギターではなくブラス(管楽器)を打ち込む事が多く、小学生時代にトランペットを吹いていた事がかなり役に立ちましたね。
チェックマン!
僕はその後、楽曲をチェックする『チェックマン』になりました。
全国から送られて来る『データ』をパソコンに読み込み、実際の曲と似ているかどうかをチェックします。
中でも一番大切なのが、『信号』が入っているかどうか?
少しマニアックな話になりますが、カラオケに曲を入れると、パソコンにデータが読み込まれ、基盤にに付いているシンセサイザーを鳴らします。
その際に、前の曲のデータがシンセサイザーに残っているといけないので、かならず『リセット』します。
その信号が、曲データの一番初めに入っていないといけないんです。
なので、『リセット』→『楽器の割り振り』→『テンポ』などのデータを2小節間に入力します。
なので、実際に曲が始まるのは3小節目から。
ちなみに、アウフタクト(第一拍目以外から始まる)の曲は更にもう1小節遅くなり、4小説目から曲が始まります。
曲が入ってからしばらくは待つのは、そのデータをシンセが読み込んでいる時間なんです。
そういう、決まったデータがちゃんと入っているかどうか。
その楽曲が元の曲に似ているか。
それらをチェックします。
全国の職人たち!
データカラオケの納品は、楽曲データと仕様書の二つ。
データはパソコン通信で、使用者はFAXで送られてきます。
当時はインターネットがまだ使えない時代。
一曲ダウンロードするのに、かなり時間がかかりましたね。
だいたい30分くらい。
今だと、5秒くらいじゃないですかね。
データカラオケの職人は全国にいて、演歌はこの人、ポップスはこの人、というようにそれぞれの『匠』がいたんですよ。
元の曲に似ているのはもちろんですが、カラオケデータは、その後何度か変換されて実際のカラオケ機に入ります。
その先々の変換で誤作用しないように、ちゃんと考えられている必要もあるわけです。
『匠』はその事もわかっているので、実際に鳴らした時に『音楽』として素晴らしいんですね。
その人のデータが来ると、みんな仕事を忘れて聴きいったものです。
離れたところから存在感を出していたわけで、究極のテレワークであり、リモートですよね。
今でも憧れますよ、そういう仕事に。
振付もやろうと思えばできますからね、リモート。
ビデオを送って覚えてもらう。
今まで何度も経験したし、先日もやりました。
ただ、実際に会ってレクチャーしないと完璧とは言えませんね。
レクチャーがリモートなら、僕はどこにいても大丈夫です。
ホログラフィーが当たり前になれば、それも実現できるんですけどね。
僕沖縄、アシスタント韓国、マネージャー東京、ダンサーアメリカ。
こんな事が可能になる時代、いつか来るんじゃないかな〜