ダンスが義務教育になってから10年以上経ちますが、いま学校ではどういう授業が行われているのでしょうか?
よく聞く話だとDVDを観ながら真似をしたり、インストラクターがやってきてダンスを教えてくれるというもの。
ダンスを習っている人はラッキーだし、苦手な人はずっと苦手なままでしょう。
そういうやり方だと、ダンス嫌いな人が増えるだけではないでしょうか?
では、どうすればいいのでしょうか?
ダンスが学校の授業になると聞いた頃、絶対に必要だと思ったのが『譜面』です。
譜面があれば、その仕組みを勉強するだけで踊れるようになります。
先生は自分が踊って見せるというよりは、譜面の読み方を教える。
それでもわからない人にはすこし実演してみせる。
音楽と同じですね。
ダンスの仕組みを勉強することができれば、ダンスを作ることもできるんです。
ダンスを作る=振付ですね。
生徒が振付をして、それが何のダンスなのかをクラスのみんなで考える。
うまいダンスは必要ないです、なにを創ったのかが大切なんです。
これは、ぼくがうちのダンサーたちによくやる『むちゃぶり』に似ています。
僕は逆にお題を与えて、それについてダンスを考えてもらいます。
それがエンタメとして成り立っているのか?
お客さんがそれを観て楽しいのか?
真剣に話し合います。
そうやって、ダンサーたちはスキルを飛躍的に伸ばしていきます。
それと同じような事を学校でやることが出来れば、生徒たちの想像力を豊かにする事ができるでしょう。
これこそが、学校でやるべき授業ではないでしょうか?
ダンスの譜面
ダンスの基本は、体重移動(ステップ)とポーズで構成されます。
『リズム感がいい』というのは、体重移動がスムーズでかつ移動中に余裕がある人の事です。
つまり慣れです。
体重移動を慣れさせる方法はただ一つ、繰り返しやる事です。
曲に合わせてただ歩くだけでもかなり良くなりますが、次のステップに行くためには少し変化が必要です。
そこで、譜面の登場です。
僕が考えた譜面は、それは『数を踏む』というもの。
数を踏むので『カズフミくん』というフワッとした名前ですが、これがかなりイイんです。
四つの数字を紙に書いて、左上に1、その右に2、1の下に3、その右に4と置きます。
これで譜面は完成です。
あとは、これを使ってダンスを作ってみましょう。
これには、ルールがあります。
○1〜4の順番に踏む
ただこれだけです。
では、どっちの足で踏むのでしょうか?
それこそが、振付になっていきます。
1を左足、2を右足、3を左足、4を右足。
どうなりますか?
少し大股で歩いている感じになりませんか?
だいたいみんなそうなるはずです、譜面ですから。
では、全ての数字を両足で、ならどうなりますか?
4回ジャンプになりませんか?
この4つの数字を狭くすれば動きは小さく、広くすれば動きは大きくなります。
全部右足(左足)ならケンケン、全部手なら逆立ち。
ブレイカーならすべて片手でやれるように練習する。
想像力を膨らませましょう。
こうやってダンスを作っていきます。
そのうちにこの4つが邪魔になってきます。
ルール違反をしましょう。
順番を変えたり番号を増やしたり。
数字を壁に貼ったり。
数字を無視したり。
誰も思いつかないような『違反』こそがその人のオリジナリティです。
先生は生徒がルール違反しやすいように導いてあげて下さい。
少し宣伝ですが、
パパイヤ式キッズダンスアカデミーというのをやっています。
幼稚園の3年間で15個のステップを学び、それらを組み合わせてダンスを創る、というものです。
テレビで見るようなヒップホップの難しいステップも、実はカンタンな動きからできています。
それをかなりわかりやすく説明したメソッドです。
幼児向けとは言いながらプロのダンサーも熱くなれるメソッドなので、興味のある方や学校の先生など、一度見てみてくださいね。