みなさん『振付師』ってどんなイメージですか?
僕がダンスを習い始めたころ、振付師=ダンスの先生でした。
でも、いま僕はの中ではダンスの先生と振付師は大きく違っています。
何が違うのか?
それは『ゴール』だと思います。
ダンスって何年くらい習えばいいんでしょうか?
その先にあるものは?
健康のために踊るのか?
ダンサーになりたくて習うのか?
ダイエットなのか?
それ以外にも目的はあると思います。
振付って、ゴールが決まっているんですよね。
この曲で、こういう感じのダンス!みたいに。
なので、僕がダンスの先生になったなら、一人一人に聞くと思うんですよ。
『あなたはこれからどうしたいんですか?』
で、それぞれ違う教え方をしないといけない。
なので、僕はダンスを教える事が出来ないんです。
振付の考え方
僕が教えることができるのは、振付のやり方。
僕が大切にしてるのは、
①どういうコンセプトなのか?
②見て楽しいものなのか、踊って楽しいものなのか?
③誰が躍るのか?
ザックリとこの3つ。
これさえちゃんと決まっていれば、なんとかなります。
たまに、『老若男女、誰でも踊れて、見て楽しくて、踊って楽しい、簡単でキャッチャーなダンス』
というオーダーが来ますが、僕は必ず、『優先順位を決めて下さい!』と言います。
『一番大切なのは何か』、これが大事なんです。
例えば、
優先順位1位、テレビを見ている人に踊ってもらいたく、対象年齢は小学生で、しかも低学年
優先順位2位、キャッチーなダンス
ということが決まっていれば、
『激しくてカッコイイダンス』ではなく、
『小さい子が踊って可愛く見えて、なおかつキャッチーなダンス』になりすよね?
そうやって、的を絞り込む必要があるんです。
一番困るのは
全部お任せ、というもの。
たまにあるんですよ、『なんでもいいです!』というオーダーが。
曲もできていなくて、方向性やコンセプトも決まっていない。
曲作り、レコーディング、振付、全てお任せ。
ただ決まっているのは、のちのちYouTubeとかで、みんなが踊ってくれそうなダンス。
それって振付じゃなくて、プロデュースなんですよね。
こういう場合は、少し時間がかかりますが、企画書を作る事から始めます。
コンセプトを考え、曲をプロデュースする人を決め、歌詞が必要なのか必要でないのか。
必要なら作詞をし、誰が歌うのか?
ようやくレコーディング、その後振付になります。
僕は全体のプロデュースと振付の両方をするわけです。
振付師は、演出の一部を担当することもあります。
ミュージカルなどは、振付師の役割が多くなりますね。
僕が以前担当したミュージカル映画では、シーンごとに撮る方向が変わり、そのたびに振付が変わっていきました。
その場で踊るのか、前に進みながら踊るのか、横に移動しながら踊るのか、途中から喧嘩のシーンに変わったり、その時々の内容によって振付が変わっていきます。
なので、そういう場合はその場で考えて振付することになります。
写る人に、撮る方向に向いてもらい、『ワン、ツー、』と振付するんです。
それを、監督はじめ各スタッフさんが見て、どういうカットにするのかを決めるんです。
緊張しますよ(^^)
でも僕は、そういう現場が大好きなんです!
必要なところだけをじっくり練習して撮影する。
質の高いモノができるはずですよね!
どうですか、振付師。
やってみませんか?(^^)
楽しいですよ。
僕はもう、やめられないですね!